まずは、感染が発覚して、治療を開始するまでの経緯を書いていきたいと思います。
2018年3月のこと。ちょうどいろいろ仕事が片付いていて、さらに転職活動で受けていた1社から内定をもらった時期でした。
前年(2017年)の9月ごろに「行きずりの関係」を持ったことがあって(性交渉の詳細についてはここでは言及を避けます)、「もしかしたら」という気持ちがありました。
HIVの即日検査は過去にも1回受けたことがあるので、スッキリした気持ちになるためにも受けておこうと思ってはいたのですが、HIV即日検査の性質上、「思い当たる行為」から3ヶ月おいてからの検査が望ましいため、「年が明けたら一応いっとくか」ぐらいに思っていたまま、年度末を控えて仕事が忙しく、ズルズルと先延ばしにしていたのでした。
HIVの検査施設については↑のサイトにまとまっています。詳細はそちらを見ていただければと思いますが、全国の保健所や特設検査施設で、基本的には無料(一般の医療機関で検査を受ける場合は有料)で受検できます。
このあとに詳細は書きますが、検査は匿名で受けられるので、最寄りの保健所でなくとも構いません。施設によって平日や土日など検査日もさまざまなので、自分の都合にあった時間と場所で検査を受けることが可能です。
電話予約~当日の検査まで
私が今回検査を受けた施設(保健所)では、検査は事前予約制でした。プライバシーへの配慮から、予約時でも電話番号や名前を確認されることはありません。「受付番号」を口頭で伝えられて、それが当日の自分を示す唯一の要素になりました。また、受付でも「HIV検査」と口に出して言う必要はなく、「血液検査で来ました」と伝えればOKだと言われました。
当日、受付に「血液検査で来ました」と伝えると、指定の検査室へ案内されます。そこで受付番号を伝えると、検査についての申込書類の記入を促されます。
↑の写真は、実際に私が検査を受けた際の書面です
もちろん、このシートについても名前を記入する欄はありません。検査結果を受け取るために受検者を確認するためのサイン欄がありましたが、仮名・数字・記号なんでもOKです。
申込書を記入すると、カーボンコピーを控えとして受け取り、採血を行います。採血後、検査結果が出るまで、1時間ほどかかります。
検査結果、そして要確認検査へ
検査結果は「要確認検査」でした。「まあ陰性でしょ」と思っていたこともあって、結果を告げられた瞬間は完全に硬直しました。
↑実際に渡された結果通知書です
内心が混乱したまま、検査結果について医師から説明を受けます。内容は
- 即日検査では「陰性だと確定できなかった」=陽性「かもしれない」
- 採取した血液を使って、精密な「確認検査」を行う
- 検査結果が出るまで1週間から2週間程度かかる
とのことでした。
↑これも実際に受け取った書類です
検査結果の受け取りについても、(まだ感染も未確定なので)個人を特定する要素は一切聞かれません。
最初に書いた通り、転職先企業から内定中(こちらからの返答待ち)の身だったので、少しでも早く検査結果を知りたかったのですが、その日は精密検査施設側の担当者が不在とのことで、受け取り可能日が確定するのは明日以降になるとのこと。現時点で、検査結果が渡せる確実な日取りは2週間後以降ということになりました。
とはいえ、分かり次第電話をもらう(=電話番号を渡す)のもどうかということで、後日こちらから電話をして、この施設での担当者の方(仮にAさんとします)「3月×日に受けた血液検査の件でAさんをお願いします」と取り次いでもらう段取りをしてもらいました。
この日はそれで終了。結果を待つしかありません。ですが、ここからが苦悩の始まりでした。